口腔乾燥症(ドライマウス)は加齢やシェーグレン症候群、放射線照射など種々の原因により唾液の分泌量が低下する疾患です。唾液量の減少が口腔乾燥による不眠、食物の嚥下困難、口腔内の炎症および疼痛などの症状を引き起こし、日常生活に大きな苦痛を与えています。また、現在口腔乾燥感を訴える患者さんが増加しており、患者さんのQOLを考える面から口腔内の不快な諸症状に関して注目が集まっています。文献によると65歳以上の人々の20%前後に口腔乾燥感が自覚されており、そのうちの幾ばくかの人々は耐え難い食生活を送られています。当科ではこのような口腔乾燥を訴えられる患者さんの診断・治療にあたっています。